三日後、ポルト・ルミナスの夜空に満月が昇りました。
そして翌朝――。
魔女が言っていた東の山に、ついに大きな虹がかかりました。その虹は、まるで街全体を包み込むかのように大きく、鮮やかな七色に輝いています。
「行こう! 本当に虹がかかってる!」
子どもたちは興奮し、着の身着のまま走り出しました。
『虹の谷』は、ポルト・ルミナスの東に位置する標高三百メートルほどの山にあります。谷へ続く道は急な斜面が続き、ゴツゴツした岩場も多く、一歩踏み外せば転げ落ちてしまいそうでした。
しかし、子どもたちは『七色の花』を見つけるという強い思いに突き動かされ、険しい山道をひたすら駆け上がっていきます。
ようやく東の山にたどり着いたとき、空にはまだ大きな虹がかかっていました。
「よし! 虹はまだ消えてない! 大丈夫そうだ!」
子どもたちは大喜びで、さらに奥へと駆け出しました。